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2008/12/11 -スタイリッシュさの先にあるもの



4Gamer.net - 明日12月11日発売予定の「ミラーズエッジ」で,発売記念イベント開催。日本語PC版の発売日も明らかに
GAME Watch - EAJ、PS3/Xbox 360「ミラーズエッジ」発売記念イベント 加藤夏希さんが“Faith”のコスプレ姿でデモとトークを実施

都内で『Mirror's Edge』の発売記念イベントが行われた様子。近所のゲームショップでも早速販売しているのを見かけました。僕は年が明けてから発売されるPC版待ちですが、Xbox 360版のデモをやった限りでは結構良い感じ。ローカライズもEAだけあって完璧です。

『Mirror's Edge』は今回に限らずプロモーションが際立っている作品であり、とりわけ視覚的なスタイリッシュさや引きの強さが印象的。もしPromotion of the Yearなんてのがあったら、今年間違いなく選出されそうなんじゃないか。Trailerは主観視点を意識したスピード感溢れる作りだったし、今回貼り付けた公式SSも、まるで抽象絵画のような構図や色彩を用いている。見るからに開発者はサブカル通で、それを作品作りに活かしているんだろう。このSSはDLCの追加マップのものですが、これを見てからよりそう感じるようになった。


これは全く何の根拠も無しに言っているわけではなく、実はこういうのがあるからなんですよねぇ。上の『Mirror's Edge』のTrailerと見比べてみると良いのですが、どうよ?コレ。ちょっと似ているとかいうレベルでは済まされないものを感じるわけですが。ただ別にここではパクリだと糾弾したいわけではなく、要はサブカルとゲームが重なった点が面白いと言いたいわけです。

DELTA INC

改めて紹介させてもらいますが、先ほどこんなものと挙げたのは『DELTA』というオランダを拠点として活躍しているグラフィティアーティストらしく、また建築学に基づいた幾何学的なデザインを得意としているらしく、またかなりのガンダムオタクでもあるらしい。こうもらしいと言いまくるのは、実は自分もつい最近人に教えてもらって知ったので、あまり全容を把握していないから。つまり根拠ないわけじゃないとか言っておきながら受け売りなんですね。ごめん。でも面白いから載せちゃった。

ただこれらのキーワードだけでも『Mirror's Edge』との接点は十分感じられるし、また同じくオランダのグラフィティアーティストに『ZEDS』というのがあって、これまた『Mirror's Edge』にそっくりと、この界隈から影響受けているのはほぼ間違いない。

ZEDS

ちなみにDELTA INCはネットで探していたら画集があったので早速購入しました。それでもうちょっと細かく見比べてみたいです。

話が戻りますが、実はこういった動きというのは『Mirror's Edge』に限った話ではなく、一つのムーブメントの兆しとして業界全体に見受けられつつあるのですね。例えば2007年に発売されたValveの『Team Fortress 2』は、西はピクサー、東はジブリ映画からの影響を、またPC版はこれから発売されるUBIの『Prince of Persia』では、フランスのバンドデシネや日本のSQUARE ENIX作品の影響を、それぞれ感じたり、または開発者自らがそうであると証言しています。

お供のElicaとくんずほぐれつな『Prince of Persia』。

ピクサー風ショートドラマも公開中の『Team Fortress 2』。

何故このような作品が台頭してきたのかと考えられる理由は幾つかあり、僕の場合それはまず第一にゲームの画質競争における引きの強さの獲得の為と、もうひとつはコスト削減の為なんじゃないかと思っているのですが、これ以上書くのはちょっと製品版を最後まで遊んだのは『Team Fortress 2』のみなので憶測が過ぎるかな。

兎に角、『Mirror's Edge』をはじめとしたこれらの作品の取り組みには、とても先進性が感じられて期待しているのですが、しかしこれはあくまでもグラフィックスに限った話であって、イコールゲームとして優れているかどうかってのは全く別の話なんですねぇ。

ここまで書いたのも、全ては『Mirro's Edge』のデモの印象が良かったという事のみが動機となっているので、先走りが過ぎますね。見た目良くて中身最悪なんてゲームでは本当に良くあることなので。

そう考えると『Mirror's Edge』だって単なる客寄せパンダだけの動物園になってしまう危険性も十分孕んでいるのです。あのピアノのメロディが特徴的なテーマソングだって、今までのTrailerで聴く分には良かったけど、PVで全部聴こうとしたら何かケバいお姉ちゃんが歌う歌謡曲でしかなかったって事も、十分あるわけです。


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