Top Diary Review Text Gallery Link

2008/12/20 - ゲーム業界はヤバイのか

4Gamer.net ― 日本のゲーム業界ってほんとにヤバイの? さすらいのゲーム業界人 島国大和氏に本音のところを聞いてみた

4Gamerにしては珍しく読み応えのある記事。近年のゲーム業界の様々な問題を分かりやすく解説してくれています。記事内では日本に焦点を当てて話が進められていますが、これは世界規模の問題として通用する部分もある内容です。

まあ僕の側から口を挟む事はさして無いのだけれど、ビジネスの転換がゲーム表現そのものに新しい可能性をもたらすという考え方は大賛成。これは我々が好んで嗜好している洋ゲー、PCゲームにも言える事で、ビジネス的などん詰まりに悲観する人も居るけれど、僕は必ずしも悪いことではないと思う。

例えば『Far Cry 2』の「Procedual Data Generation」や『Left 4 Dead』の「AI Director」は、背後には開発環境の省力化やコスト削減の意図があるわけです。と同時にそれから作られた物は、遊び手にとっても未知で有意義な体験となり得る、という事を理想として作られている。

しかし実際には『Far Cry 2』はその大部分が実現しきれず、出来上がった物にも多くの問題点があった。『Left 4 Dead』の場合は結局開発に膨大な労力を要したという、ある面で本末転倒な結果に終わっている。

それでも『Far Cry 2』のアフリカの景観は見事であるし、『Left 4 Dead』の「AI Director」は一定の功績を残した。依然課題は多く残ったとしても、そこから得られた次への可能性もゼロではない。

『Mirror's Edge』や『Prince of Persia』、『Team Fortress 2』のビジュアル表現にしても同じ事。このように問題を課題として受け止め、次への可能性を模索しようとする姿勢がある限り、ゲームはまだまだ進化していけると思う。そしてそんな可能性を感じ取りたいと思うからこそ、僕は今も尚ゲームを遊び続けているわけです。やたら長いだけで退屈なゲームと思いながら結局やり続けてしまうのも、その中にある可能性なり課題なりを自らの目で確認したいという気持ちがあるからなのですね。

後は遊び手にも変化や新規性を受け入れていく姿勢が必要なのでしょう。最もそれは、記事にもある通り売り手がそのように仕向けていかなければならない事です。それは一過性のマーケティングに留まらず、新しいゲームの捉え方、遊び方を明示していくような働きかけが必要だと思います。

現状では何だかんだ言って『Mirror's Edge』よりも『Dead Space』の方が売れてしまうわけですから。勿論『Dead Space』は売れるに相応しい完成度を誇った作品です。しかしあれは言うなれば今までの流れを"終わらせた"作品。それよりかは荒削りでも"始めようとしている"作品により投資したいというのが僕の心情なのです。

All trademarks and trade names are the properties of their respective owners.
Copyright (C) BaNaNaBoNa 2008-2009 All rights reserved.