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2009/01/14 - そして誰もいなくなった



『Far Cry 2』2周目終了。このゲームは遊び倒しましたよ。まぁそうは言っても元々中身スカスカなゲームなので、只管自明の事を繰り返すのみなのですが、その繰り返しが意外とイケるというのがこの作品の不思議な所です。言うなれば熱中とは程遠いのだけれど、中毒って言葉を使うと何かしっくりくるような。

この熱中と中毒の何処が違うのだと言われると説明するのが難しく、それを厳密に測量したくて僕は2周もしたわけです。その甲斐あって大筋把握できたような気がするので、その辺は後日レビューでまとめるつもりです。

そういうわけであまりここに書きすぎるとレビューでのネタがなくなってしまうのですが、つくづく地味なゲームだなと思いますね。じっくり観察するとAIは仲間を助けようとしたりと複雑な事をやっているし、マラリアとSicknessレベルもダッシュの息切れの速度に関連していたりするし、ゲーム開始時に選ぶ主人公によってNPCの台詞も変わったりとすんごーく地味な所が作りこまれている。

でもそれをプレイヤーが知覚する機会が殆ど無いんですよ。40時間に及ぶプレイ時間を以ってしても殆どそれに気づける機会が無い。運良く気づけたとしても、それらの要素は全くこのゲームの面白さに貢献していない。あってもまるで意味がない形骸化されたシステムが点々とあるだけなのです。

そうなる位だったらもうフリーローミングだとかプロシージャルなんてものはバッサリ切り捨てて、名実共に単純なシューターとしての面白さのみに軸足を置いて再設計すれば良いのに、現状の作り方では「ぽっくん本当はこんな事をやりたかったんでしゅ!まぁせめてこれらを眺めて想像で補ってくりりばよか!」とでも言わんばかりの申し訳にしかなっていない。

この問題を痘痕ととるか、えくぼととるかで本作の評価は分かれるんでしょうね。でも僕はえくぼとするには『S.T.A.L.K.E.R. Shadow of Chernobyl』位の執念がなければ成り立たないと思うんですよねぇ。多分理想を貫いて泥沼の開発に足を突っ込むか、収益確保を優先させて適当な所で売り捌くか、UBIとしては後者を選択したのでしょうなぁ。確かに商売としてはそれが正解だわね。実際売れたし。ただその後にファンがついてくるかどうかは全く別の話で、お陰でコミュニティは国内外問わず薄ら虚しい事になってます。『Splinter Cell: Conviction』はUBIにしては珍しく理想を貫く道を選択したみたいなので、何とか良い出来になって欲しいなと思いますが。

とりあえずこれにて『Far Cry 2』は終了。良かれ悪かれ頭を抱えさせられたゲームでした。最後にバディとの戦いの映像を貼り付けて締めたいと思います。

IEDとドラム缶を等間隔に配置して、敷地内を一気に吹っ飛ばしてバディをまとめて再起不能に。

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