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2009/02/02 - 「俺達の事も、宜しく!」


Galleryに新作を一枚追加しました。タイトルは『「俺達の事も、宜しく!」』です。

数年前、日の出から日没まで町中を延々と徘徊し続けながら写真を撮りまくった事があるのですが、そこで想像以上にホームレスが多くて当時はかなり驚きました。僕の町の傍には川が流れており、そこの河川敷にホームレス村があることは既に知っていましたが、町中であそこまで遭遇率が高いとは知らなかった。

最近は我が家の近くの高架下に一人住み着いた。数えたわけではないので具体的な数字は分かりませんが、体感的には今現在は当時より確実に増えている。そして恐らくこれからもっと増えるのでしょう。

彼等は主に自販機のゴミ箱から漁った空き缶を生活の糧にしているみたいですが、最近はそれも値下がりし、苦しい状況が続いているという。不景気の波はホームレスの世界にも押し寄せているのだ。

ちなみに今回の為に色々ネットで調べていたら、ホームレスの段ボールハウスにペインティングしていくというアーティストのHPを発見しました。

新宿西口地下道段ボールハウス絵画集

凄いことをやる人が居たもんだ。活動自体は10年以上前の事みたいですが、これを見たら僕が今やっていることは何て卑しいのだろうと少しばかし意気消沈してしまった。活動全体を取り巻くアナーキズム的思想には全然共感できないけど、そういうの関係なしにそれを実行するという覚悟が凄い。覚悟とは即ち力であって、その力はモニター越しでもムンムン伝わってくる。それに賛同できるできないは別としても、そこに力があるという事に対してはやはり凄いという言葉を掛けるべきだと思うのです。共感できないけどね。


そうそう、告知し忘れていましたが、ちょっと前から過去作の『失楽園2』もGalleryに載せました。秋葉原連続殺傷事件をテーマにして、Pixivで運営に消されたという曰く付きの作品。

あの事件は個人的に非常に衝撃的で、あれ以来秋葉原を従来のようには見れなくなった。ネットでもその事件の性質上、他には見られないような盛り上がりを見せていて、当時は某掲示板で事件を報道した番組のキャプチャや加藤容疑者自身の顔写真が無数に貼られていた。後者に関しては今でも貼られ続けている。

そういった事件とその周囲の状況を見て思った事を絵にしたわけですが、結果は少なかれ賛同者が居たとは言え、それより多くの罵倒を浴びせられた挙句運営に消されちまったわけです。

この事があって当HPでもちょっと前までは公開を渋っていたわけですが、どうせなら文句言われるの覚悟で出した方が良いと判断しました。

ただPixivに関しては、あれはやはり僕の一方的な過失ですね。Pixivがどういう場なのかを十分に読まずに消されるような作品出した自分が悪い。

Pixivは登録時のメールで「あなたのインスピレーションやイマジネーションを抑えてはならない。 『模範』の奴隷にならぬように。 」というゴッホの台詞を引用しやがるのですが、実際はこの文とは真逆な世界なのがPixivという所です。Pixivとは真似すべき模範があり、そうするよう促す歴然とした制度があり、それを逸脱するものは排斥する法律があり、それを踏まえた上での自由競争社会となっているのです。

ただ実はこれは現実社会では何処にでも存在する自明の理であり、寧ろ今までのネットはそれが確立されていなかった石器時代だったと僕は思っています。せいぜい個々人がHPを立ち上げてそれぞれがリンクで繋がり合うのみの単純な村社会の集合体であったわけです。

そこを統一して1つの大きな国家を作り、今まで細々と行われていた事を産業にまで発展させたのがPixiv。実際そのおかげでPixivづてで仕事のオファーが来るという事もシステムとして出来上がっている。そのような事は従来の村社会でもなかったわけではないけれど、システムとして成立できていたわけでもなかった。

当然このような大きな国家が出来上がると、そこからあぶれてしまう少数派の元村社会の人達はわめくわけですが、それはもう半ば仕方の無い事で、少数派の切捨てを差し引いてもそれ以上にメリットがあるということを自覚しなくちゃいけない。

そういう意味で僕はPixivの運営方針には大方賛成しているんだけど、ただ利用者が自覚なくそのシステムに乗っかってしまっているのが問題で、そういう姿勢は行く行くはシステムそのものを腐敗させる。

例えばランキングシステムで行われている事がそうで、まぁこのランキングがPixivを法治国家たらしめているわけなんですが、中にはランクに入る事のみを目的にする輩も居る。そういう奴が作る絵はシステムしか見ておらず、またそれが模範にされるような事になると外気が入らず、ランキング=作品価値の1基準だとかその他諸々のシステムが本来持っていた意味がなくなってしまう。

そうなるのは勿体無いので自覚を促すべくお節介にもあそこで絵を投入し続けているのだけれども、これが上手くいかないわけであります。そこが面白いんだけどね。

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