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2009/02/18 - 青いねー君達


落書きに一枚追加。と言っても作業量が落書きの域を逸してしまったのですが、心持ちとしてはあくまでも落書き。『かんなぎ』のナギ様です。

そう、『かんなぎ』ですよ、『かんなぎ』。iPhone使ってアニメの方を観てみたら、全く期待していなかった分逆に楽しめてしまって。それで改めて真面目に観直すのと同時に、折角だから原作マンガも全巻購入して今日に至るわけです。

と切り出してみたは良いものの、だからといって他人に薦める程の作品でもないってのが実直な所かなぁ。作品を構成している要素の7割は有象無象の萌えアニメと同系統。

ただ残りの3割に当たる登場人物達の丁寧な描写が個人的に結構味わい深かった。10代の少年達の青臭い平凡感。この描写が中々良い。それもその平凡さを癒しではなく痛さに振っている所とか、今時のライトなオタク感を含ませている所にこの作品独特の捉えどころ、或いは独特のリアリティを感じます。

特にそれが顕著なのがアニメ版の第10話のカラオケ。これだけはやたら印象に残ってて、おかげで僕の中では『かんなぎ』=カラオケという図式が出来上がってしまった。

その話は文字通り25分の枠の中で延々とカラオケしている様子のみを描いていて、青少年達のとりとめもない一喜一憂が丁寧に描写されています。特に主人公の仁が歌うパートは秀逸。声優の下手糞な歌唱の演技も程よく痛い。

これが果たして原作から持ち得ている要素なのか、それともアニメ版だからこその魅力なのかが良く分からなかったのでマンガ版も購入したのですが、結局アニメ版の方が面白かった。基本的に同じ筋書きを描いているのにも関わらずマンガ版よりもアニメ版の方が面白い。

本作の監督の山本亮って人は「朝比奈ミクルの冒険」の仕掛け人でもあるので、やっぱ僕がこの作品を面白がっている部分はこの人の手腕による所が大きいのだろう。手がけられた作品をそこまで見比べたわけではないので断言できませんが、この人は萌えアニメの枠組みの中で青少年の青臭い痛さを表現するのに長けた人なのかもしれない。

萌えアニメでこれをやるって事に関しては賛否が分かれているようですが、僕は逆にこれが萌えアニメって枠組みから外れると冴えなくなっちゃうと思うなぁ。萌えアニメで敢えて場違いとも言える演出をやっているというエキゾチックさが魅力に繋がっている気がします。

何にせよ山本亮って人は個人的に要チェックの人物。逆に『かんなぎ』それ自体は正直どうでも良いかな。『かんなぎ』の『かんなぎ』足りえている本筋部分は価値無しって程でもないけど、敢えて語る程のものでもない。ただ10話は凄いと思うので、ここだけは機会があったら見てみると良いかもしれません。

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