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2009/02/22 - 出たがりアルマに憂鬱


『F.E.A.R. 2: Project Origin』がやっと今日届きました。と言ってもちぃーっとも期待期待なんかしていなかったけどね。既に出ているレビューで散々にこき下ろされていてやる前から相当モチベーションが下がり、そして実際やってみて更に下がりました。

ACT3でまでやってみてまず第一声「何も変わってねー」、続けざまに「寧ろ劣化しとるねーん」、最後に一言「退屈じゃー!」。いやぁーやっちまったねMonolith。

何だか真面目に文章書いても張り合いが無いので、今回は箇条書きで済ませちゃいます。ここまで遊んでみて感じたことはざっと以下の通り。

・何も変わってねーその1 - ゲームデザインが変わってねー
広間に出て敵と戦って、何もない通路を歩いて、Almaのびっくりドンキーに付き合わされて、また広間に出て敵と戦ってという初代『F.E.A.R.』のデザインをそっくりそのままトレース。本当に何も全く変わっていないので、前作をやった身としては退屈に感じるというのは、最早説明するまでもない明白な事実である。

・何も変わってねーその2 - 敵との戦闘が変わってねー
戦闘も全く変わっていない。正面に現れた敵をその場でSlo-moを使うなりして嬲り殺していくパターンがずっと続く。レベルデザインがヘボい為に、AIの本来の賢さが実際の戦闘であまり面白みに結びついていない所までまんま一緒。

・何も変わってねーその3 - ホラー演出が変わってねー
出たがりAlmaたんはかまって欲しくて仕方がない甘えん坊。初代『F.E.A.R.』と同じようにチラチラ登場して必死に自己アピールをしているぞ。しかし登場パターンが"戦闘が終わった後の移動シーン"という前作の方法そのままなので、幾ら何でもマンネリすぎるぞ。しかもさりげなさすぎて気づかずに通り過ぎてしまう所まで変わっていないのだ。

・何も変わってねーその4 - グラフィックスが変わってねー
カクカクして無機質なグラフィックスもそのままだ。確かに情報密度は前作と比べれば上がっているが、この程度のレベルは初代『F.E.A.R.』と同時期に同社が発売した『Condemned: Criminal Origins』が既に通った道なのだ。要するに変化と言える程の変化がないのが実情なのだ。



・劣化しとるねんその1 - ゲームデザインが劣化しとるねん
大筋のデザインは変わっていないが、細かい所がマルチプラットフォームにありがちな劣化をしてしまっている。まず難易度が相当低くなり、回復アイテムに全くお世話にならないバランス。仮にお世話になるとしても、アイテムがゴロゴロしすぎていて明きからに供給過剰である。他にも敵がもろくてヘッドショットが必要なし、クイックセーブができない等など前作よりも大味で不便になっている。

・劣化しとるねんその2 - グラフィックスが劣化しとるねん
これも大筋は変わらないが、細かい所で劣化あり。特にデカールやパーティクルの劣化が著しく、前作のようにParallax Mappingを使った立体感ある弾痕表現や、派手にはじける火花や爆発がない。画面全体を取り巻く質感も、前作と比べて平坦である。

・劣化しとるねんその3 - サウンドが劣化しとるねん
マルチプラットフォームに伴い前作では導入していたEAXをばっさりカット。おかげさまで何とも抵抗感の無いスカスカなサウンドが出来上がりました。銃撃感が乏しいのに始まり、戦闘の迫力なし、ホラーの迫力もなしと良いことなし。


こんなところかなー。あまり貶めるような書き方したくないのですが、でも事実ですからね。『Condemned 2: Bloodshot』はもっとまともな続編として仕上がっていたのに本作はなんでこんなになってしまったのだろう?

元々の『F.E.A.R.』がクオリティの高い作品だったので、それと地続きの本作も辛うじて大作としての体裁を保っていますが、その当時の時代へ与えたインパクトという点では天と地の差。結局遊び手の価値判断ってのは前作とその続編という単純な2抗対立はあり得ないわけなんですよね。遊び手は同時代性という漠然としたムードと照合して作品を評価している。前作がそれを掴めていたとしたら本作にはそれがない。

元々アートワークはB級テイストだった『F.E.A.R.』はその分次世代感で自身をA級足らしめていたわけですが、それがなくなるといよいよ『Time Shift』だとか『Uber Soldier』辺りと同列に見えてきてしまうな。他の人の話を聞く限りだとこの先も大した変化がなさそうだし、憂鬱になるなー。

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