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2009/03/23 - 言いがかりだよ姉さん!

4Gamer - 徳岡正肇のこれをやるしかない! / 第6回:「S.T.A.L.K.E.R.」でZONEをさまよってみるしかない

4Gamerは徳岡正肇氏による不定期連載、今回はあの『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl』の話。ロシア正教やソビエト共産主義体制をキーワードに、『S.T.A.L.K.E.R.』を民族学的に解釈しています。

4Gamerは一時韓国産MMOに傾倒しすぎていましたが、少し前からPCゲームへの回帰や業界話を取り扱い始めて、ようやく方向性を取り戻しつつあります。

しかしながら今回の記事は些か言いがかりが過ぎるというか、結論ありきという感じで論旨がしっかりしていない。極個人的な感想として見る限りは良いと思いますが、果たしてこの内容で他の人々から興味を得られるのだろうか。少なくとも僕はあまりピンと来なかった。

確かに普段国産と欧米のゲームくらいしか慣れ親しんでいない我々にとって、東欧のゲームは奇抜に映ります。また国産や欧米のゲームを基準にして物事を考えている以上、東欧のゲームを批評するにはその文化圏の違いや民族の違い、所謂エキゾチシズムに観点を置くぐらいしか判断しようがない。東欧のゲームが欧米のそれ並に出回っているならまだしも、現状では我々が遊べるのは極僅かでしかないわけですし。

なのでこのゲームをロシア正教やソビエト共産主義体制に何が何でも絡めて見ようとするのは仕方が無い事だし、僕もそれぐらいしか出来ない。ただ逆に言うと今回の4Gamerの記事も従来の我々の見方と同じ水準でしかないので、改めて読んでも然りとて新しい知見が得られるわけではない。要するに皆無理解なわけです。

記事ではその平凡な見解に説得力を増させせる為に色々な歴史的話題や文献を挙げていますが、結論との関係性が希薄でかえってそこだけ浮いて見えてきてしまった。それって知識としてあっても理解に結びついていないという事だよね。

それだったら、同じ穴の狢で不毛な議論をする位なら、エレナ氏のサイト(日本語訳)の様な現地のレポートを読んだ方がよっぽど新たな知見、チェルノブイリや『S.T.A.L.K.E.R.』への理解が得られる事でしょう。『S.T.A.L.K.E.R.』をやっていてエレナ氏のサイトを知らない人は、4Gamerの記事を読むよりも先にこちらを見に行くべき。
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