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2009/03/24 - Mob Ties Tokyo Demo


Mob Ties Tokyo 公式サイト

外人さんにとって日本並びに東京は、町中をヤクザが闊歩し、そこかしこに仏像や鳥居が立ち並び、空を見上げてみれば幾多のネオン看板が夜を彩る、そんな素敵空間だ。フジヤマ、ゲイシャ、ヤクザにハラキリ、そしてOTAKU・・・ 普段我々が外国を見る時にどうしてもエキゾチックな部分に目が行ってしまうように、外人さんも日本をその様な目で見てしまうのは仕方が無いかもしれません。

それでも最近はそんな"勘違いジャパン"が炸裂するようなゲームは減少傾向にあります。EIDOS辺りが相変わらず怪しい表現をする事がままありますが、メジャー級のゲームの日本観は少しずつですが改善されているようです。

とは言えそれはあくまでもメジャーの話。少しでもそこから足を踏み外したら途端に魔境へと逆戻り。iPhoneのアプりでも明らかに怪しげなものがゴロゴロしており、全体的に見れば外人さんの勘違い日本は未だ健在と言えるでしょう。

そして本作『Mob Ties Tokyo』はそんなコレジャナイ日本を描いたゲームの中でも、これ以上にないくらい直球ストレートな久々の怪作。上記のSSはそのデモ版のメニュー画面。日の丸を連想する赤バックに、扇子を持ったお姉ちゃんと拳銃シルエット。各項目を和訳したと思われる「献立表」、「新たに」、「出発する」、「出て」。日本らしさがひしひしと伝わってきます。

物語はヤクザ抗争がテーマというありきたりなもの。しかしありきたりを描いて、ありきたりで済まないのが向こうの人の日本観。まぁ御託並べるよりも実践あるのみ。早速デモの中身を覗いてみましょう。

メニュー画面の興奮冷めやらぬうちに早くも追い討ちがあなたを襲う。彼等にとって「荷積み」とはローディングの事らしい。辞書を引くとかマトモな翻訳機はなかったのだろうか?

ゲームが始まると画面には操作方法が書かれたプレートが。そう、本作にはメニューを見ても分かる通りオプション設定がないのである。日本がどうこう言う前にゲームとして早速ずっこけてしまった。

感電注意のマークに、鋭い書体の漢字が物々しさを演出する。「危」ではなくあくまでも「険」なのもポイントが高い。

まるで迷宮であるかのような東京をあざ笑うかのように、ダクトの迷路が延々と続く。

ヤクザの格好はやはり中国と混同しているようにも見えるが、ここは紛れも無く東京なのである。「影」とか「機」とかの漢字があるから間違いないのである。

遠方の敵はこちらを攻撃せずにおどおどするばかり。多分彼は目が悪いのだ。日本人=眼鏡が多いを拡大解釈した演出に違いない。

「奴が居たぞ!」。流暢な英語でそう言われた瞬間画面は暗転。「端」という文字と共にゲームは衝撃のラストを迎える。

デモはものの数分で終わるとても短い内容。ゲーム中はどこも同じ光景の研究所とおぼしき空間で、淡々と敵と戦うだけで終わります。マップのデザインは単調の極み、敵AIは馬鹿丸出し、オプション設定無しと勘違い日本の前にゲームとして落第点。本作はアマチュア2人で作ったインディーズゲームらしいのでむべなるかなという感じですが、これを$14.5で売るのは無理すぎるのではないか。

肝心の勘違い日本の方も、このデモでは上記で挙げた分が精一杯で意外と少なく拍子抜け。どうせまともなゲームなんて期待できないんだから、せめて勘違い日本を炸裂させなさいよ。なんて理不尽極まりない注文をどうしてもしたくなってしまう。Trailerを見る限りだと相当ぶっ飛んでいたのでこれはデモのマップの選択が悪かったのか。どっちにしろこのデモからの印象は最悪です。

せめて操作方法でも変えられれば少しは興味が持続したかもしれませんが、それすら出来ないとなると手をつけようがないかなぁ。これからデモをやってみようと思っている方もやめておいた方が懸命。

ただし公式サイトのTrailerだけは必見と言えるかも。拙い日本語の歌をバッグに見せられる映像はシュールの一言。ある意味傑作。

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