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2009/04/08 - Liberty Cityはオムニバス


まだまだ『Grand Theft Auto IV』をプレイ中。現段階で達成率は59%位なのですが、この辺りからストーリー展開が少々中だるみしてきたか。と言っても序盤との比較であって、クオリティ自体は相変わらず高いのですが、まぁ人間どうしても比べてしまうものなのよ。何せ序盤のRomanやBrucieといった面々があらゆる意味で濃すぎたんだ。彼等は見ているだけで愉快だったので、中盤以降も活躍する姿が見たかった。

一応半分まで来たみたいだし、また本作の全体的な印象は前回の日記まででひとしきり書いてしまったので、今回は個々の要素で気になった事について書いていこうかと思います。本来なら順序が逆でこういった所から話を始めるべきだったのですが勘弁。

まずここまでやってみて相当難易度下がっていると感じました。『GTA』シリーズといえば全体的に中の上くらいのやや難しい難易度、所々鬼畜じみたものもありって印象だったのですが、本作では殆どリトライせずに順調にクリアできてしまっています。多分ストーリー性重視の為、ゲームオーバーになる度展開が中断されるのは格好悪いという判断か、もしくはカジュアル層向けにハードルを低くしたか。多分両方でしょうな。『San Andreas』が発売されたのが4年前だから、それまでの間で大分ゲーマーの嗜好が変化したって事なのかなぁ。

戦闘は本作から今流行りのカバーアクションを導入。ぐっと普通のシューターっぽくなりました。ただ難点なのはアニメーションが鈍重すぎて格好良くないし操作もし辛いという事。これは本作のアニメーション全般を制御しているEuphoriaエンジンが関係しているのかな。

Euphoriaエンジンはアニメーションを物理制御してより現実的な動作を実現するミドルウェアの事ですが、こと戦闘に関してはその現実さが仇となってマイナスにしか働いていません。何かアクションを起こす度に「よっこらしょ」って言葉が似合うくらいに溜めが必要で、入力からワンテンポ遅れる動作を制御するのはとても煩わしい。またカバーアクション時の動作設定自体が他の作品と比べると変。身を乗り出す、カバー中のダッシュや立ち、しゃがみの切り替えなど基本的な動作が出来ない。元の360版が発売された2008年でこの出来はお世辞にもよく出来ているとは言い難いですね。

ただまぁ今までの豆鉄砲のような銃撃戦と比べると、"論外"から"良し悪しを語れるレベル"にまでなったのは進歩と言えるのかな。Rockstarには今後この辺の仕様をもっと検証して欲しいところ。


一方もう1つ大胆な変更のあった指名手配のシステムは非常に良好です。今までのシリーズのようにMAPに点在する賄賂アイコンを通過して指名手配度を消していくシステムは完全に廃止され、より複雑で戦略的なものへ変化。簡単に言って警察の視野から逃れて一定以上の距離を逃げ切るルールで、即興性と戦略性、難易度のバランス共に秀逸。

ただし一方的に逃げるだけならともかく、直接やりあうとなると今までで一番難しい。主人公は鈍い上に撃たれ弱く、大きく開けている野外でやりあったらひとたまりもない。警察と本気で戦争しようと思ったら、十分な装備と考え抜いた逃走経路、そして何処か室内に立て篭もる事が必要。一応僕はピストルからRPGまで弾薬MAXでレストランのカウンターに篭城。指名手配度6で5分間やり合った後にバイクで地下鉄まで逃げるというルートで撒く事に成功。ただ屋外でパトカーと真面目にカーチェイスしながら逃げ切れる自信はないです。


そうそうミッションに話を戻すと、本作からの新要素である、ランダムキャラクターミッションは難易度は兎も角、ストーリー的には良い味出しています。これはMAP上にランダムで登場するキャラクターから突発的な仕事を引き受けるもので、Nicoが所謂人助けをするサイドミッション。ここで登場するキャラクターは皆一般人なのが特徴的で、今までこのシリーズにはなかった人種が登場した事で、Liberty Cityをまた別の角度から伺い知る事が出来ます。

特に猟奇殺人鬼Eddie Lowは相当強烈。このシリーズに登場するイカれた連中とは全く違う意味でイカれた奴で、人殺しには躊躇しないNicoも彼ばかりには気味悪いとか近寄るなとか言っちゃってて、完全に押され気味。


またEddie Lowの言動等の状況証拠を検証してみると、ゲーム序盤からLiberty Cityのラジオやインターネットニュースを賑わせていた連続殺人鬼が彼だという事が分かる。度々出てきていたこの殺人鬼と直接対面できる機会があるのかなと期待していたら、まさかこやつとは。

この様々な角度や要素から多面的にストーリーを語っていく手法はとてもよく出来ています。Eddie Low自身もかなりぶっ飛んだキャラなので、このゲームをやるなら彼に一度は会ってみて欲しい。


後気になるのは日本語訳とGames for Windows Liveについてかな。日本語訳は非常に優れていて、特に向こうの言葉独特のスラングを日本語なりに再構成できているのが素晴らしい。「頭にまでミナギっちまったのか?」とか「オッパイがいっぱい」とか相当意訳が強いけど作品のイメージにはピッタリ。またキャラに応じて口調も細かく変えており、翻訳だけで1つの表現として成立しているって思える位際立っている。英語が理解できない人は当然だけど、出来る人もこの日本語版は手に取る価値は十分あると思います。但しテレビ番組やインターネットサイトの一部は訳されていないので注意。


Games for Windows Liveは昨年末のアップデートによってXbox Liveと同期が可能になり、相互のゲームのアカウントや実績を一元管理できるようになりました。ただ今の所PCユーザーにとってメリットになるものは少なく、寧ろPCゲームも自らのライブラリに加えられるという意味で、360ユーザーにとって便利な代物って感じ。

ただ本作は実績に向いたゲーム内容という意味で、Games for Windows Liveはそこそこ価値が出ていると思います。実績の是非についてはまちまちですが、少なくとも『GTA』シリーズような箱庭ゲームとの親和性は高い。遊び方の1つの提案になります。


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