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2009/04/20 - 生きるにゃ金がかかる


昨日あんな事書いておいた傍から意地で遊び続けています。意地で書いています。PCの持ち出しは最後の最期なので一応今の住居を離れる直前までは触る事が出来るのです。そして『Grand Theft Auto IV』です。物語りもいよいよ大詰めです。本当の探し人とも再会し、Nicoの物語も終着を迎えるのです。

いやぁしかし、よもや『GTA』シリーズで生きる事の意味を説かれるとはね。ネタバレになるので詳細は語りませんが、要は今まで散々楽しかろう面白かろうとやらせてきた事を、最後にそれっておかしくない?と全否定するような内容。戦争と平和とその為の人殺しや裏切り。普遍的なテーマだけど、時期的に9.11以降を意識しているのは間違いない。

まぁ結局行き着く所はそこなのねって感じですが、笑いあり涙ありを50時間以上も掛けて重層化した上での結論ってのは、やはり説得力が違う。また映画でもドラマでもなく、プレイヤーが自主性に則って操作するゲームであるって所が、本作の主張の論拠にもなっていると思います。

その辺は今までで散々語ってきたので今更書きませんが、つくづく『GTA』というゲームの特性を良く理解しているストーリーテリングだと思います。映画的ゲームと銘打ってカットシーンとプレイ部分がバラバラになってしまっている作品が氾濫している中、本作は映画っぽさを射程に置きつつも、ゲームの部分とストーリーの部分をイコールの関係で一致させる事が出来ている。

但しプレイヤーとゲームの世界=ストーリを馴染ませるのに多大なプレイ時間を要するの本作のデザインは、ある意味難点というか今後考える余地があるかもしれません。

まず今まで書いてきた事は全てかなり遊びこまないと見えてこないというかプレイヤーにとって感慨深いものにならないので、途中でリタイアする人には全く良さが分からない危険性があるという事。

なのでなるべくリタイアさせることなく、長時間のマラソンを完走してほしいのが開発者の本音かと思います。しかし飽きずに遊び続けたいと思わせるクオリティを50時間超に渡って持続するには物凄い労力、そして金が掛かる。本作の場合は結局100億掛かったわけですが、ここまで遊んでみるとその金額も妥当なように思えます。

しかし他の会社が同じように100億掛けて作れるわけがないので、その現実性の無さとそれを実現してしまった所に、本作の歪さや罪がある。他の開発者は真似するべきではないし真似できないんだけど、ただ顧客は正直なので一度こういう物を味わってしまうと以降似た様なゲームはすべて比較してしまうよね。そう思うとこれからの箱庭ゲームが不憫でならない気もする。

またこれはDLCの『The Lost and Damned』にも言える事だと思います。まだ遊んでいないのであまりあれこれ言うのは道理じゃないのですが、話に聞く内容の通りなら3000円位の価格で買わせて然るべきだと思った。DLCであのクオリティであの価格は、明らかに市場の基準をぶっ壊しているよね。

誤解して欲しくないのは本作はそれ単独で見る分には素晴らしい内容だと思います。ただ開発費が高騰している中、もうこういう横綱相撲作品はもう触れたくないなという気も同時にあるんですよ。まるでクスリキメまくって短期的にハッスルするのは良いけれど、切れた後の事考えると怖くて夜も眠れないみたいな。

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