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2009/05/07 - 友よ、永久に


ちょっと前になりますが、遂に『Grand Theft Auto IV』をクリア。掛かった時間は述べ70時間。いやぁー遊んだ遊んだ。だって先月の日記殆ど本作1色だったじゃん?単純な時間量で言ったら2周した『Far Cry 2』の方が多いのですが、あれは終わりなき砂漠を黙々と歩き続ける、ある意味苦行のようなもの。こちらは舞台のアメリカに相応しい、遊び要素満点で飽きる事がなく充実した時間を過ごせました。

エンディングも今までのように、2極の選択を迫られ、それによって内容も変化する仕組み。どちらも大切なものを失いハッピーエンドとは言い難い終わり方で、この一見華やかな様で内面鬱屈した雰囲気は現代アメリカの世相を反映しているとでも言いましょうか。若しくは本作で度々プレイヤーに問われる「誰を、何の為に殺すのか」という問題は、そのままアメリカに対する投げかけのようにも見えます。

そう考えると『III』の「何故殺すかってそれは楽しいからだぜヒャッハー!」って調子からは大分変わったとしみじみ思いますね。結局最後まで遊んでみて前作から変わった点を一言で表すとなると、この重厚感に集約されるんじゃないかなと思います。

またそれを表す為の数々の変化の中でも一番大きいのがストーリー。携帯電話や車上中の会話等を通じて、メインストーリーのみならず、ゲーム中のありとあらゆる時間の中で物語を発生させる。そうした仕組みを作る事で、本作のテーマをゲーム全体に行き届かせる。映画的ゲームと聞こえは良いが、安易なカットシーンの使用で映画的な部分とゲーム的な部分が分離しがちな昨今、本作のストーリーテリングの仕方は巧み。

しかし逆にエンディングを迎えると、文字通り物語や問いが終着してしまう為、その後途端にそれまでの魅力が一気に霧散してしまった。これはメインストーリーの終わりに合わせて、他のサイドミッションも全部終わらせるように遊んでいた僕個人の問題なのかもしれませんが、何にせよ今までのシリーズのようにクリア後もはっちゃけて遊びたーいという感覚にはならなかった。

クリア後に留まらず、本作は自由に創意工夫して遊ぶという方法は、今までのシリーズで一番不向きだと言えます。本作で繰り広げる数々のミッションは、一見自由度があるようで実際筋書きが殆ど決められており、どう頑張ってもそれを覆す事はできません。例えばカーチェイスなら相手が本拠地に着いてから倒すという筋書きが開発者が意図しているなら、追跡の間幾ら銃弾を撃ち込んでも幾ら先回りしても相手は無敵。周りを走っている一般車両ですら全てガチガチに配置が決まっている。ストーリー重視故の副作用と言えましょう。

この点はこれからの作品でもそのままでいいのか、それとも新しい施策を考案するかは個人的に興味あり。ただ以前のシリーズの流れは『Saints Row 2』辺りが引き継ぐって形で棲み分けが進んでいるし、このシリーズは今後もこの調子で行くのかなぁ。

ただもっと根本的な問題として、このままで行くとしても一体いつまで続けられるのかって疑問がある。要するにお金の話。開発費100億の本作は開発費高騰の象徴のよう。遊んでいると「ああ100億は伊達じゃないなぁ」と感慨深くなると同時に、「こんなに無茶やって良いのか」と冷や冷やしてしまう。『Crysis』程テクノロジー一辺倒ではないにせよ、金掛けないと作れないこういうタイプのゲームは今後どうするのかなぁ。

とりあえず一ヶ月を越す本作の日記もこの辺でそろそろ終わりにしましょう。最後に後1回クリア後の楽しみ方について触れたら、総合的な感想をレビューでまとめたいと思います。

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