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2009/05/08 - GTAIVをむしゃぶろう


エンディングを迎えたからってそのゲームが終わったと思ったら大間違いだ!特に『Grand Theft Auto』シリーズはクリア後の楽しみ方も盛りだくさん。という事で今回は『Grand Theft Auto IV』の多様な楽しみ方について考えてみたいと思います。

色々と楽しみ方はあるかと思いますが、まずはゲーム中に実装されている要素から見ていきましょう。始めにマルチプレイ。本作で初めて実装されたマルチプレイは、長らくこのシリーズに待ち望まれていた要素だと思います。

確か『Grand Theft Auto: Vice City』の時代から、『Multi Theft Auto』という名のMODによる非公式のマルチプレイは存在していました。一番やり込んだ『Vice City』版は特にルールもなく、ただ只管箱庭の中で他のプレイヤーとじゃれ合う他愛のないものでしたが、これが結構面白くてかなり熱中した思い出があります。その後の展開は熱心に追っかけなかったので詳しくないのですが、『San Andreas』ではレースを設定できたりとそれなりに進化していた模様。

そして本作のマルチプレイを触った感覚は、正しくあの昔の『Multi Theft Auto』のまま。多様なルールがあったり、プレイヤー以外にも多くのモブキャラが箱庭世界に居るところは流石にMODを凌駕していますが、でっかいフィールドの中でランチキ騒ぎする様は、『Vice City』が在りし頃と全く変わらない。

但し逆に言うと悪い部分まで『Multi Theft Auto』と一緒なのは問題です。野鯖で何度か遊んだ感じでは、どんなルールでも総じてひっちゃかめっちゃかの暴走状態で、殆ど統制が取れていない。そしてそれを更に拍車にかけるのはチートが半ば公然と行われている事。

そういえば『Multi Theft Auto』でもありました。消防車がですね、空を飛ぶのですよ、猛スピードで。そしてこちらに突っ込んでくる挙句360度にロケットを同時発射してくるんですよ。まさかそれをまた再び目にするとは思わなかった。

こんな奴が1人居るだけでゲームは完全に破綻するわけですが、本作ではここから更に幾人ものチーターによるチート合戦にまで発展する。消防車や救急車が空中で激突しあう様は興ざめを通り越して寧ろ笑えてくる。お互い無敵だから幾らやりあっても無駄だと思うのだが・・・

そんなわけで本作のマルチプレイは野鯖だと全く遊べる状態にありません。ゲームのルールが良く出来ているとか、バランスがどうとかを吟味する以前の問題。MOD時代を知っている僕からすると、「チーターが居なけりゃGTAのマルチじゃねぇだろ!」という気持ちが内心あるのは秘密なのですが、普通の感覚で言えばこの状態は失格レベルです。まともに遊ぼうと思ったら2ちゃんねる等で募っているイベントに参加するでもしないと無理そう。


もう1つの追加要素であるVideo EditorはPC版のみの特典。ゲーム中の画面をキャプチャし、それぞれを編集してアップロードまで出来る。MAD職人歓喜のモードですが色々とメリット・デメリットがあるのも確か。

まずメリットはインゲームでの編集を活かして、撮った素材のカメラアングルを自由に弄れるところ。つまり録画する時は普段のゲームの画面のまま動かして、編集時にアングルを運転席視点だとか遠巻きで捉えたりだとか自由自在に変えられる。Fraps等の外部キャプチャソフトでは、今起きている画面をその画面のままでしか撮れないので、この自由度は制作に大いに役立つでしょう。


但しその点を除くと市販の専用の動画編集ソフトとはその質において比較できるはずもなく、このエディターの貧弱なインターフェイスは相当使い辛い。また挿入できるBGMはゲーム中のラジオのみで、またそれも全ては選択できない。そして何よりも落ちやすい。正直やってられない。

となると本気で作ろうと思ったらアングルだとかの設定をゲームのエディターでやって、それをFrapsで録画して、外部ソフトで厳密に編集するという手順が必要になるのかなあ。僕も「NicoとBrucieの飲酒運転、ダメ絶対」ってタイトルで作りかけだったけれど、幾度も落ちてもう既に挫折しかかっています。


後は公式から離れてMODの方を見ていきたい所だったのですが、残念ながら本作はあまり盛り上がっていない様子。特に従来のシリーズでは車両系のMODが花形って感じだったのですが、本作ではめっきりで数が少なく、あっても単にスキンを変える程度のもので、今までのような勢いを感じない。グラフィックスのクオリティが上がって、ユーザーメイドだとその水準についていけないみたいな、険しいハードルがあるのでしょうか。

そんなわけで今のところピンと来るMODがないので、今回はMODエディターの『OpenIV』を紹介。

OpenIV

このツールはテクスチャ等のデータを展開するのに用いるMOD開発者向けのものなのですが、それらと一緒に音声データも展開できるので、ラジオの曲を抜き出してゲーム外で聴くといった事も出来ます。


但しどれもラジオ用に尺が調整されており、全部は聴けない仕様。要するにオリジナル聴きたきゃ買え!って事ですね。なので買いましたよ、サントラを。


『Vice City』や『San Andreas』ではBoxあるいは単品で各ラジオ局の音楽が全てサントラになっていましたが、『IV』は完全にダウンロード販売専用となり、iTunesやAmazon.comから購入可能です。

残念なのは専用でサントラが組まれているのはヒップホップ系の「Beat 102.7」と東欧音楽系の「Vladivostok FM」の2局のみ。後の局は『The music of Grand Theft Auto IV』という総集編にそれぞれ1曲か2曲収録されているくらいで随分さみしい。

『Grand Theft Auto』シリーズといえばゴージャスなラジオが大きな魅力の1つ。本作も毎度のように数々のトップミュージシャン達の曲のを収録している他、更に今回はイギー・ポップやジミー・ゲシュタポ等の超大物を各局のDJに招いているのも見所ならぬ聴き所。それもあって全曲サントラ化を望んでいたけど叶わなかったかぁ。

とまぁ、以上のように書き連ねてみても、まだまだしゃぶり尽くすには遠く及ばないと感じさせる懐の深さが本作の凄い所なわけですが、それでも今回はこの辺までにしておきましょう。長かった本作とのお付き合いもようやく終わり。後は総仕上げとして本作のレビューを書き上げて締めたいと思います。

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