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2009/07/05 - 近状報告


ご無沙汰しております。毎度ちょっと更新しては暫く休んで、またちょっと更新しては暫く休んでの繰り返しで申し訳ありません。何分立て込んでいて忙しいと言うのか、いや単に手際が悪いと言うのか。いずれにせよゲームに割く時間が中々作れなくて、『NecroVision』も未だクリアできていない始末。13日過ぎれば一先ず落ち着くと思うのですが、それまではTwitterでぼやく程度しか出来なさそうですが、どうかご了承下さい。

色々とやるべき事は溜まっているのですが、とりあえずここでは現状報告がてら展示の宣伝をさせて頂きます。先ず現在僕は現代美術作家の会田誠さんのところでアシスタントをさせて頂いております。来る18日からサンフランシスコのYBCA Galleryで催されるWallworks展に出品する新作に携わっていて、PCでの作画を中心的に担当しています。再来週の初めにはもう締め切りなのでなのでマジで急がないと不味いんですけどね・・・

Yerba Buena Center for the Arts - Wallworks

僕はアシの立場なので言える事は限られてくるのですが、タイトルにあるように壁画をテーマにした企画展で、18日から31日まで会場で公開制作が行われます(僕は担当じゃないので現地には行きません)。展示自体は10月25日まで行われるので、その間に近所に立ち寄る予定がある方は是非お越し下さい。

それと規模や作品は桁外れに落ちますが、僕自身も11、12日に開催されるPixivフェスタVol.2に参加します。イラスト系SNSとして今や知らぬ者はいないPixivのオフラインイベント第2弾。前回は観るだけでしたが今回は僕も出展しますよ。会場は前回と同じく原宿のデザイン・フェスタ・ギャラリーEAST。会期中はなるべく会場にいますので、こちらも是非お越し下さい。

PixivフェスタVol.2

前回のPixivフェスタに関してはここに大分厳しく書きましたが、企画自体への考えは今回も大筋は変わっていません。寧ろ2回目にも関わらず内容に一切の見直しがされていないのは、学習能力が無いんじゃないかと余計に疑問に思ってしまう部分すらある。しかしPixiv自体が良くも悪くも無視仕切れない大きさのコミュニティになっている点や、以前の感想にも書いたようにこれだけの大人数が参加するものでありながら、アートという暖簾を全く掛けずに、しかもアート系のギャラリーが立ち並ぶ原宿、表参道の界隈で開催するって所は面白い。また後者は僕自身の主義と一致している点でもある。そんな立ち居地の特異さ、曖昧さの中に自分が求めているもののヒントがあるかもしれないという期待から、今回参加するに至りました。

ここからは少しばかり僕の主義主張の話になって恐縮ですが、アニメだマンガだとかいう所謂オタク文化がアートの領域で扱われるようになって久しいものの、その両方に足を突っ込んでいる僕からすると、それぞれの交流は未だ限定的、平たく言ってオタク文化の持つ非常識的な様態を当てにした作品が多い。或いはオタク文化をアートの領域に持ち込んでくると、途端にオタクにとってのものではなくなってしまう。要するに消費の対象ではなくなってしまう。それは会田さんの手伝いをしていても感じる事で、今のオタク縁の芸術作品のその根本たるオタク側の意見や価値観が蔑ろにしている状態に強い疑念があります。

刹那的な流行り廃りに一喜一憂するその移り気の早さ、全く進歩のない繰り返しに疑い無く行じるその不毛さ。オタクの外側の人間によるこうした評価は事実である一方で、それでも彼らがそうした行為に及ぶ理由や心境を鑑みていない。それはつまり彼らオタクにしか認知できない、その外側からは見えない微細な何かがあるという事に他なりません。それが何なのかは言葉にできませんが、少なくともオタク文化にしかないもの、そしてそれを別の媒体に変換しようとすると須らく欠落してしまうものであるはず。

その点を一般化して描き出す事こそ己の命題だと信じて作品を作っている日々ですが、未だ暗中模索といったところ。一般化するという事は脱オタク化しなければいけないという事ですが、行き過ぎるとアートなどというオタクの近寄りがたきものと成り果ててしまう。現状ではこの水と油の距離感を詰めていく事にしようと思い、両者の関係性がなるべく曖昧になるような、両者にとってそれそのものと言いがたき着地点を探っています。

一方Pixivフェスタに出展される作品には、その微細な何かが保有されていると思うんですね。まぁ中には自分も含めてちょっとひねくれてサブカルをかじっているような作品もありますが、メインストリームは100%オタク側から作られた作品によって構成されています。そういうものは以前はコミケに代表される即売会で同人誌という形で触れるのが常識でしたが、一枚絵としてギャラリーに展示されるという状況は個展や小規模のグループ展を除くと今まで無かった。オタク寄りの文化でありながら、アートのフォーマットに近づいている。そこは興味深い点で、僕としては見逃せない。

ただこんな大層な御託を並べたところで、前回がそうだったように大部分で肩透かし食らうのがオチかなとも思っているのですが、上記とは別に単純に他の絵描きと交流する機会としても活用しようと思っています。僕はネットでの馴れ合いや情報に飲み込まれる感覚が大嫌いなので、PixivにせよTwitterにせよフレンド登録は全くしていない。投稿されたイラストにせよつぶやきにせよ、情報が欲しければ手動で1つ1つチェックすればいいわけだし、そちらの方が情報と己との距離感を厳密に調整できるので気が楽。しかしおかげで人との交流は全く無い。それはそれで居心地が良いので然したる問題はありませんが、会場でなら対面でやり取りできるしそれなら人と話しても良いかなと思い、ネットでは出来ないコミュニケーションに期待している部分もあります。

まぁ何だかんだ言って結構期待しているんですよね。前回同様会期が終わり次第またここに感想をまとめたいと思います。意外に良ければそれは受け入れ、駄目であればそこはハッキリ書くつもりです。当日お会いする方も、また後日こちらでご覧になる方も、どうかよろしくお願い致します。

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