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2009/10/09 - 続きはエピソード2で


『Zeno Clash』クリア。前のエントリーは前言撤回、とまでは言えないけどちょっと修正。色々と至らないように思えた箇所も、最後まで遊んでみるとそんなに悪くない。ストーリーは本題に関しては、壮大ではないけれど一応オチがついたし、シューティングも当初ショボいと思ったけど、後半それなりにシャープな射撃を欲求される場面も出てきて、あくまでも格闘に対するサブの要素として捉えれば酷くない。

勿論前回で褒めた所は最後までその魅力は衰えなかったし、総じてインディーズ作品としてはとてもレベルが高い。ただ本来ならばそれでもう良いはずなのですが、にも関わらず何か煮え切らないものを感じてしまうのは、ACE Team Softwareがインディーズでありながら実はもっと商業作品に近いものを作る事を望んでいて、本作もそれを前提にして作るられているような気がするからです。

要するに平たく言うと続編ありきで、本作では出し惜しみして作られているという事。逆に言うとそれだけ作品としての広がりに可能性が感じられるという事でもあり、またそういう志があるからこそ技術面では商業作品に勝るとも劣らないクオリティを発揮できたのかもしれません。しかしその分インディーズという鞘には収まり切れていないのです。

その最も顕著な例が世界観とストーリー。一応本題であるFahter-Matherとの確執については話を進めていくにつれ明らかになり、オチもつく。しかしこれで全部解決かと思いきや、何やら続編を匂わして話は突然終わってしまうし、本題以外の世界観設定についてもその多くが不明瞭なまま。だから僕は前のエントリーではストーリーテリングが稚拙だと書いたけど、今だとわざとそうしていたんじゃないかと思う。


こういう尻切れトンボはいつ何時も心地良くはないもので、それはインディーズ作品であっても変わらない。寧ろインディーズでこういう事やられると、プレイ時間も含めた作品規模の小ささと相まって、出来の良い小作品として以上に、規模の大きめのデモ版に見えてしまうんですよね。なまじ技術的な品質が商業作品に匹敵しているのも、余計にそう見えさせてしまう。実際それが狙いなのかもしれないですけど。次回より良い環境で作る為の出資者探しみたいなさ。

実際想像以上に売れて、早くも続編制作に取り掛かっているという事はその目論見が成功したという事でもある。内容ももっとオープンエンドなものにしていきたいらしいし、その方がこの作品のイメージに合っているとは僕も思う。そういう野心を持つ事自体は全然悪い事じゃない。しかしそれと本作を尻切れトンボで終わらせるの事とを一緒にはして欲しくないわけで、なるべくその作品単体で完結するようにして欲しいです。遊び手としては本作がインディーズであるからこそ、売れ線狙いばかりの商業作品では味わえない一期一会の体験を期待しているわけですから。


とは言え凡百のインディーズ作品よりも遥かに質は高いし、そこらのありきたりな商業作品よりかは遥かに新鮮なのは確かで、そこは何度も言うように一定の評価はできる作品です。勿論突き詰めると上記した事や前回書いた事辺りが引っかかってきて最高の一本とまでは行きませんでしたが、価格もSteamなら15$と安いし日本語化MODも出ているで、まだ遊んでいない方は手にとってみても損は無いと思います。

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