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2009/10/16 - Pixiv デイリーランキング 2009/10/15 一位二位三位


落書きに一枚追加。『Pixiv デイリーランキング 2009/10/15 一位二位三位』。完全にPixivの内輪ネタです。すみません。

本日のPixivデイリーランキング まとめ:2009年10月15日のPixivデイリーランキング - livedoor Blog(ブログ)

Pixivってのは一応表面上は"お絵かき楽しす"という標語の様に和やかムードで通っているのですが、その実態はランキング成果によって身分が分けられる、厳然たる階級社会。この世界で尊厳を得る為には唯一つランキング上位に上がるしかないわけですが、しかしその為には自身の知名度や作風が所謂売れ線であるかという事がかなり重要で、決して完成度の高い絵を描けばそれだけで上がれるわけではない。

一方Pixivに限らずネットの絵描き界隈ではトレスという問題が存在します。これは要するに構図を始めとした作品要素が、写真なり図版なりの殆ど丸写しである事を揶揄した言葉で、一見上手い絵を描いている人でも実はそれがトレスだったとバレた日には、四方八方からボロクソに叩かれる羽目になります。実際ちょっと前もプロのイラストレーターがトレス行為やっていたという事が問題になり、更にそれに対しPixivの社長がトレス行為を認めるような発言をした事でかなり荒れた時期がありました。

しかしこのトレスってのはどこからどこまでがそれに該当し、またどれ位なら該当しないという線引きが曖昧で、Pixiv社長の肩を持つ訳じゃないけど、その判断は相当訴える側の感情的な部分に拠っている。ただネットってのは往々にしていちゃもんつけた者勝ちな傾向があって、幾ら正当性を主張しても数の暴力で一方的に断罪されてしまう事もしばしばある。

だけど皆トレスやっているんですよ、バレない程度に。じゃないとランキングに載れないから。本当に自らの独自性を発揮して上位に食い込むは相当難しく、それよりかは売れ線のフォーマットをトレースして作品を仕立てた方が遥かに容易い。皆もそういう物にはホイホイ点数を入れる。だけど一度具体的に何をトレスしているのかバレようものなら、皆手の平を返してバッシングに早変わりです。

だけどこれって歪ですよね。トレスが絶対悪だとするなら、その原理主義を貫いて、本当に独自性の高い物のみを評価すればいい。逆にトレスを容認するのであれば、どっしり広い心で構えれば良い。でもどちらにも振り切れていない。時と場合によってコロコロ変わるダブルスタンダード。描き手としては一々それに合わせてられっかって話です。

それでようやく本作の話。本作はPixivの2009年10月15日付けのランキングの上位三作品の要素を、それぞれトレースして合成して作りました。後から指摘されるのも嫌なので、タイトルも『Pixiv デイリーランキング 2009/10/15 一位二位三位』にしてさっさと自己宣告。

本作はいわば売れ線の作風の作品の中で行われている事を典型化してみせているようなもの。ここで意図した事とはつまり、これに点数入れますかって事です。点数入れるにしても入れないにしても、それにはそれぞれ問題点がある。或いはこれを一種のジョークとして受け止められるくらいの気概があれば問題ないんですけども。まぁ何にせよ作品を鑑賞される方はこのトレスと創作の問題について、一つ一つの作品ともっと真摯に対話してもらいたいものです。

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