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2010/02/02- 安くて不味いか、それとも美味いか


えー更新が大分滞っており大変申し訳ありません。先月は芸術づくしって言うかもっぱら自分の作品に関する事ばかりだったのですが、今月からは平常運転って事でゲームの感想を書く作業に戻っていきたいと思います。

まぁ一月も別にゲームやっていなかったわけじゃないんですよ。トップのバナーにもある通り『Bayonetta』やっていたんですけれども、まぁ厳密にはちょっとやって殆ど放棄状態と言うか。国内外の評価がすこぶる高く、売り上げも好調という事で楽しみにしていたんだけど全然やる気にならないんですね。『Devil May Cry』から変わっていないとか、テクノロジー面が海外と比べると弱いとか、ゲームデザインがチマチマしていてセコイだとか・・・

この調子で『Bayonetta』の愚痴だけでも記事が一つ書けそうなのですが、それだと誰も喜ばないのでこれは保留。というわけで新年一発目の感想は『Assassin's Creed II』のDLCである『フォルリの戦い』と、フリーゲームの『Which』から始めたいと思います。

しかしこの『フォルリの戦い』ですが、『Bayonetta』の代わりに紹介する割にはこれまた微妙な代物ですね。『Assassin's Creed II』のDLCは本編では欠けていたシークエンス12と13を補完する内容になっていて、今回リリースされたDLCがその内の12に相当する物な訳ですが、何ともやっつけ臭がする適当な作り。

『フォルリの戦い』では実際に15世紀イタリアのフォルリで起きた反乱、及び領主のジローラモの暗殺事件を基にして描かれており、夫亡き後の女領主であるカテリーナ・スフォルツァを助けて反乱軍と戦っていくのが主なストーリー。


正規軍対反乱軍の話なので、ゲームの内容も多対多がメイン。これまでに無い大規模戦闘が繰り広げられます、と書けば聞こえは良いですが、実際は適当に大乱闘を起こしてお茶を濁しているだけで、何の捻りもありません。白兵戦メインなので、本作の本来の取り得であるパルクールを活かせる場面も殆どなし。

また発売前のアピールポイントだったダ・ヴィンチの飛行機械の再登場も、てっきりメインシナリオに絡ませてくるものだと思っていたら、完全に別枠のボーナスゲームとしてフォルリの街を飛べるというだけの代物。幾らなんでもこれはやっつけ過ぎるのではないか。

恐らくこの内容でも当初の予定通り一シークエンスとして本編に組み込まれていれば、こういう味付けのステージだって事で容認できるのではないかと思います。しかし実際はDLCという本編とは別物として取り扱われている上に、本編発売から間が空いている為当時のモチベーションで遊ぶのも難しい。その為遊び手としてはあくまでも小作品としての完成度を求めてしまうのは当然の心理です。それでこの内容はやはりいただけない。


救いなのは価格がXbox360版ならば320マイクロソフトポイント、Playstation3版ならば480円とこの手のDLCとしては安価な所。後はカテリーナ・スフォルツァの有名な、子供を人質にとられて「子どもなどここからいくらでも出てくる!」とおっぴろげするシーンを忠実に再現している所くらいか。 いやはやこれくらいしか見所が上がらないなんて情けない。


代わりにと言うか口直しにもう一本紹介させて頂くのが『Which』というフリーゲーム。主観視点のアドベンチャーで、クリアまでに15分も掛からない小作品ですがこれは結構面白い。

Which - A Freeware Adventure Game | Game Jolt

内容は建物に閉じ込められた主人公が、色々な鍵を探して回って脱出を目指すという定番すぎるものですが、面白いのはグラフィックスの見せ方。全編モノクロで要はDepth Bufferにノイズを加えたみたいな画面なのですが、意外と見やすいし不気味さも感じさせるし、フリーゲーム特有のディテールの弱さも上手く誤魔化せていて中々良い感じです。


アイテムやヒントは白くハイライトされて映る様になっており、さながら『Condemned: Criminal Origins』の科学捜査パートを彷彿させる演出。そして何より分かり易い。インディーズゲームってインターフェイスの利便性は無頓着なものが多いのですが、本作はこれにしても操作性にしても好感触。

作品の雰囲気は画面を見ても分かる通りホラー仕立てで、先ほども挙げた『Condemned: Criminal Origins』や『Silent Hill』からの影響を感じますね。まぁ『Silent Hill』は最早古典だから、一々名前を挙げてもしょうがない気もするけど要するにそういう雰囲気だって事です。かなり自分好みである事は言うまでもありません。後はモノクロであるという点やラストのオチからヒッチコックの『サイコ』も連想したかな。


最後はバッドエンド的な終わり方をしてしまうのですが、何やら分岐がありそうな感じもするけど良く分からない。ただ何にせよ小粒ながら良く出来ているのは確かで、これはオススメの作品です。本当に短いので何らかの休憩がてらやってみるのは如何でしょうか。

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