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THE iDOLM@STER Live For You!
開発/販売: バンダイナムコゲームス - 2008
プラットフォーム: Xbox 360
■やる気無き作品にかける言葉はあるのか
普段何か物事を評価する場合、それは"評価対象が全力でその物事をやった"、という事を前提にするのが普通だろう。そうでもしなければ例え何か悪い部分があったとしても、所詮やる気が無かったの一言で済まされてしまうからだ。
今から紹介する『THE iDOLM@STER Live For You!』はまさしくそんな作品だ。やる気がない。出来るのにやらない。そんな投げやりな作品にかける言葉などあるのか。いや無い。本来なら無い。もしこのようにレビューを書き綴る場所が無かったら、糞の一言で片付けてしまうのが丁度良いだろう。
しかし前作の名誉もあるので敢えて書こう。『THE iDOLM@STER』を傑作と呼ぶのなら、『THE iDOLM@STER Live For
You!』は正真正銘の駄作であると。
■『THE iDOLM@STER』 - 80% = 『THE iDOLM@STER Live For You!』
『THE iDOLM@STER Live For You!』(以下Live For You)は『THE iDOLM@STER』のライブシーンを抽出して再構成したライブシミュレーションゲームだ。
しかし抽出して再構成、というのは聞こえの良い言葉で、実際はライブ部分をそのまま切り出してきたのと同然だ。言いかえれば『THE iDOLM@STER』からライブシーン以外の要素を全部無くした物、とも捉える事が出来るだろう。え、追加要素は？そんなものは無い。陳腐な音ゲー要素と、二三着の新衣装、既存曲のリミックスという僅かな追加を除けば、完全に使い回しである。
確かに前作ようにパラメータに縛られないため、完全に自分の好みでコーディネートできるのは嬉しい。しかしそれにしては衣装や楽曲は前作とそっくりそのまま、前作のDLC衣装類の引継ぎは無し、リミックスも取ってつけた感じで違和感だけしか感じない。また編集の時のインターフェイスも全く進歩がなく、その部分だけを繰り返し操作する事になるので、前作以上に使い辛さにイライラさせられるだろう。
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| 絶対的にコンテンツ量が少なすぎる。ちなみにこの衣装はDLC・・・ |
■ノレない音ゲーなんてやる意味あるの
本作は、そのままライブシーンのみを抜き出してきただけでは流石に不味いと思ったのか、気休め程度に音ゲー要素が盛り込まれている。しかしこれもまた本当に気休めという感じで、ゲームとしての面白みは全く無い。
本作の音ゲーパートでは、アイドルを応援するという形で楽曲に合わせて掛け声をしたり楽器を使っていく。そのようなシチュエーションの特殊さを除けば、極々ありがちな何の変哲も無い音ゲーだ。横から流れてくるアイコンに合わせてタイミング良くボタンを押す。ただそれだけ。
音ゲーを評価する場合にも色々な観点があるが、僕はまず何よりも音楽にノレるかどうかが一番のポイントだと考える。そうして見た場合、『Live For
You』は最悪だ。楽器や掛け声もショボくて爽快感が無く、そして何よりも背景のアイドルが踊っている画面が、目まぐるしく変わったり終いにはグルグル回転までして、とてつもなく見辛い。もし本気で遊ぼうと思ったら、アイコンが流れてくるバー以外の画面を全て紙か何かで覆い隠すでもしない限りは、とてもじゃないが快適にできっこない。
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| やっつけにも程があるっつーの。 |
■お布施の準備は万端か？
まるで良いところの無い『Live For You』だが、しかし真に凶悪なのは本編にあらず。DLCにこそ、その恐ろしい本性が隠されている。
実は今まで書いてきた事は、DLC販売の為にわざとコンテンツの飢餓状態を作っていると考える事も出来るだろう。DLCカタログを一瞥するだけでも判断できるが、本編よりもDLCの方が明らかに力も金も掛けているのだ。
DLCの内容は衣装やアクセサリー、独立した短編ドラマ等前作から引き継いでいるジャンルに加えて、今回新たにライブでアイドルに歌わせることが出来るオリジナル新曲が加わった。価格はオリジナル衣装一着が1000マイクロソフトポイント、日本円に換算しておよそ1,480円。新曲が1200MSPで約1,780円と相変わらず適正価格を無視した鬼仕様。
しかしそれでも前作はDLCを購入しなくても十分遊べるような作りになっていた。しかし本作は元々が前作の完全な使いまわしなので、本作オリジナルの要素を求めようと思ったら、DLCに手を出さざるを得ないのである。ライブシミュレーションゲームと呼ぶには、衣装や楽曲のバリエーションが絶対的に少ないのもそれに拍車を掛けている。前作のDLCコンテンツも引継ぎができず、本作のオリジナルコンテンツのおまけという形で新たに買い直さなければならない。徹底的に金を落とさせようという魂胆が見え見えである。
ちなみに現時点でのコンテンツを全部購入したとすると、『Live For You』だけで76,960円、前作のも合わせると何と144,300円になる。底なし沼とは正にこの事だ。これから遊ぼうという方は、まず『Live For You』自体に手を出すのを考え直すべきだが、余程金が有り余ってるか何かでない限り、間違ってもDLCには触れようとするな。そのお金はもっと有意義で貴重な何かに使うべきものだ。
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| 短編ドラマは相変わらずヤマなし、オチなし、イミなし・・・ |
■まとめ
キャラ萌えだけで十分いける、お金も有り余っているという人にしかお薦めできない。『THE iDOLM@STER』であれだけ絶妙なゲームを作ったのに、下衆な拝金主義に成り下がってしまったのには失望した。正真正銘の駄作で、クリエイターとしてのポリシーを疑うレベルである。
参考リンク
THE iDOLM@STER公式サイト
THE IDOLM@STER 360@wiki
GAME Watch - Xbox 360ゲームファーストインプレッション「アイドルマスター ライブフォーユー!」
ITmedia +D Games - 「アイドルマスター ライブフォーユー！」レビュー
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| 2008/12/17 |
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