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2009/03/03 - 失楽園3


Galleryに一枚追加。タイトルは『失楽園3』。

テーマは前の『失楽園2』と一緒と書いておけば後は言わずもがなですが、あの作品をここで公開しPixivで消されたと愚痴った時に、「落語で言う所の考えオチみたいに描いてみては」というアドバイスをくれた方が居たのでそれを意識してみましたよ。どう?どう?少なくともこれなら消される事は無いでしょう。前はやられてしまったが今回はそうはイカのキンタマって奴だ!

失礼。ちょっとふざけてみましたが、前にも書いたとおりあの件はやはり消されるような手段をとった自分が悪かったし、こういうグレーな表現の処分についてはPixiv側は事前にガイドラインで定めていたわけだし、それでも敢えて行った僕に言い訳する筋合いはありません。

Pixivは良くも悪くも"多数の需要は少数の信念に勝る"をそのものズバリで体現した場所で、運営側の行動は多数の利益とイコールになっているのでやはり正しいですよ。ただしこれはPixivに限った話ではありませんが、退けているとはいえそれらが消えてなくなるわけではないし、あまりに傍若無人な態度を取り続けているとある時とんでもない方法で手痛い反撃を受ける事になる。

秋葉原の一件についても僕はそういうものだったと思っています。あの事件の場合は派遣社員。一義的に捉えられる事件ではないにせよ、結果的に派遣業の悲惨な実態を世間に広く知らしめるものになったのは間違いない事実。それから更に派遣切りや正社員切りにまで及んでいる現状を見ると、我々は引き続きあの事件に立会い続けるべきなんだろうと思っています。

また秋葉原という場所で起きたという事も大きい。渋谷でもなく新宿でもなく秋葉原で起きたという事が大きかった。これは社会的にというよりも、僕自身が秋葉原に特別思い入れがあったからという個人的な心理上の問題。他の場所ならまだ蚊帳の外という態度で済ませてしまっていたかもしれませんが、秋葉原という親近感のある場所で起きたという事が、そのまま自分の身近にこのような事件性が潜んでいると実感する事に繋がったのです。

この時自分の中で現実逃避としてのオタク文化と、それで抑え込んでいる現実という名の爆弾という構図が出来上がり、それがイラストという形態や美少女というモチーフを素材とし、それらが本来なら遠ざけたがる事象をも取り込んでまとめて描いてしまおうという方針に結びつきました。

現実逃避は心地良いものですが、時には向き合わなければならないものもある。しかしだからといって今までと全く別次元の事をやれというわけではなく、あくまでも自分達が持ち合わせている共通言語を通じて自分達なりの方法での向き合い方をする。あくまでもオタクとして堂々と意思表明をしたい。

ただ堂々と表明しようとしたら、前の『失楽園2』は消されちゃったんですよね。Pixivの総意はオタクの多数派のそれと近似するという認識の仕方が前提の話ですが、そういう場所で消されてしまったのは結局オタクの感性からその表現が逸脱しているという事の表れです。

それはマズイ。僕はオタク文化を大筋は賛同したいという立場でいるのに消されてしまったら元も子もない。Pixivのルールを守るという事以上に自分の信念に忠実である為にも、オタクの感性には敏感でいなければ。消されて以降、前よりもそう思うようになりました。

これが僕の絵の根本的な共通テーマという事になりますが、それを明確に自覚するきっかけになったという理由で秋葉原の一件と、またそれを描いた絵がPixivで消された事は特別に大きかったですね。これからも秋葉原の事件については描き続けて行くでしょうし、Pixivにも公開し続けるでしょう。

あ、勿論こちらも更新し続けますよ。見てくれている人の層はPixivとはまた違うし、またこうやって文を書くのも立派な表現だと思っていますが、Pixivでそれは出来ないからね。絵だけで何かを語ろうだなんて思っていないし。一番重要なのは主張する事だと思っているので、その為には絵も描くし文も書きますよ。


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